「欲望」という言葉から、連想されるのはどんなことでしょうか。 

　どす黒い衝動、人間の持つ醜悪な感情の一つ、忌むべき心の動き…。 

　なるべくなら存在を認めたくない感情、それが「欲望」なのかもしれません。 

　なぜ、正視したくない感情を撮らなければならなかったのか。 

　それは、欲望こそが生きるための原動力に繋がるのではないかと思ったからです。　 

　無邪気な「希望」だけを抱いて生きられるほど、この世界について知らないわけじゃない。 

　目の前の世界に背を向けて、「絶望」して生きるほど、自分たちは弱い人間じゃない。 

　自ら足りないものを自覚し、それを満たそうと懸命にもがくことこそ、生きることに繋がるのではないか。 

　友人や家族、自分自身が幸せに生きることを欲し、この不自由な世界を生き抜くための力。 

　この展示では、参加メンバーがそれぞれの「欲望」を、「写真」というかたちで表しました。 

　また、フィルムが連続するコマで作られているように、人生が連続する瞬間で成り立っていることから、

タイトルに「連写」の文字を入れました。